横浜市港南区日野南5丁目の野庭三谷町公園近くにある「塚の古址(つかのこし)」。小田原北条氏の家臣 吉本氏を弔うために建てられた塚です。
吉本氏は1590年の豊臣秀吉による小田原征伐により北条氏が滅亡した際、豊臣軍に降伏するのを潔しとせず上野庭に落ち延びました。上野庭で農民となった吉本氏は、朝夕に野庭の高台に登り小田原の方を眺め、北条氏の再興を願いました。再興の願いは叶わず上野庭で生涯を終え、吉本氏は登っていた高台に埋葬されました。吉本氏の子孫である臼居氏は先祖が埋葬された場所に塚の古址の碑を建てました。
塚の古址の碑は吉本氏が埋葬された高台から現在の場所に移されたといいます。上野庭には今でも臼居姓の人が多く住んでいます。
塚の古址の位置。