広渡川と黒荷田川に挟まれた昼野集落の背後に位置する細長い山が前山砦です。前山砦は1565年 伊東義祐が飫肥城を攻めるための拠点として築いたといわれています。
前山砦の縄張り図。日南市教育委員会の歴史まちあるきマップより。
前山砦の山は木が伐採され遠くからでも曲輪を確認することができます😊
前山砦の登り口。前山砦の地主の方に教えていただきました。ここは城ケ平といわれていたそう。
山を登る道は整備されており、すぐに上まであがれます。
ここからが前山砦の城域です。残念ながら山の整備の際に上写真のような道を造成しているので、縄張り図西側の遺構が消滅しています。右側は現状を保っており曲輪が段々になっています。
前山砦 主郭の切岸。高さがあり斜面も鋭く迫力があります!
手前には堀切らしい溝があります。この切岸の右側が本来の登城道になります。
前山砦の見所は主郭までの登城道に残されている2つの虎口です!
虎口周辺の部分の縄張り図を拡大。主郭南側に2つの虎口があります。主郭へいくにはこの2つの虎口を通る(虎口2→虎口1)設計になっています。
主郭に向かうと最初に現れる虎口2。正面の主郭の切岸に沿って右に折れる構造となっています。
内部から見た虎口2。折れがあるのがわかります。
虎口2を抜けると狭い通路を進みます。右側は崖になっています。
虎口1。坂虎口の形式で右に折れる構造となっています。
狭い通路から左に折れると虎口1があり、さらに虎口1を右に折れる、2折れさせる技巧的な作りですね🧐
内部から見た虎口1。両脇の土塁が高まりますね✨
主郭南側の帯曲輪。虎口1を抜けるとこの帯曲輪に出て主郭に至ります。
上の写真は主郭から見た帯曲輪。一段低くなっていますね。
山頂の前山砦の主郭。整備されていてきれいに見渡せます。
主郭から北側の景色。
前山砦 南側の景色。北河内の昼野集落。水田がきれいな風景です。
主郭(東方面をみたところ)。この先は徐々に曲輪が細くなります。
堀切。主郭東側の先っぽを降りるとあります。
堀切から見た主郭の切岸。写真ではわかりづらいですが、かなりの高さがあります。東の尾根からの侵入する敵に備えたものですね。
前山砦の位置。北郷の北河内は蜂の巣の先だけあってチャリで油津から行きましたがかなり遠かった😆
前山砦は虎口付近の技巧的な縄張りが良好な状態で残されています。日南の山城でここまで工夫された虎口はめずらしい。欲を言えば縄張り図にある西側のコ型土塁と土橋を見たかったけど、山整備による道の造成により隠滅していたのは勿体ないなぁ。でも、そのおかげで城跡はきれいに保たれているので、地主さんの整備の賜物だと思います。これからも現状のまま城跡を維持して欲しいなぁ。
素晴らしい山城でした(о´∀`о)