日南市大字宮浦にある水ノ尾砦に登ってきました。
水ノ尾砦は別名「貝殻城」といい、1545年に伊東義祐が飫肥城攻めの際に築いた砦です。伊東義祐は島津方の烏帽子嶺砦を攻め落とした勢いで鵜戸街道の尾根筋が通る水ノ尾峠に砦を築き陣を置きました。
上写真奥の一番高い山が水ノ尾砦になります。(小吹毛井の海岸線から撮影)
水ノ尾砦は鵜戸山地の中央にある標高482mの山にあり、海岸沿いの小吹毛井の林道から片道2時間の山登りです。まさに秘境。日南の山城で行くことがもっとも難しいお城なのです。伊東義祐の飫肥城攻めルートはこの水ノ尾砦から尾根を南下し鳥居峠に至り東弁分へ下りて、東の渡しを渡り飫肥に入ったと思われます。
水ノ尾砦(貝殻城)の縄張り図。日南市教育委員会の歴史まちあるきマップに縄張り図の記載がないお城のため、歩いた結果をもとに自作で縄張り図を描きました😊 尾根に数々の遺構があります。
水ノ尾砦の山に行くには小吹毛井の林道をずっと道なりに登っていきます。途中 山の中で2つに道が分かれるので右折し道なりに進むと上の写真の場所に出ます。これが水ノ尾砦に向かう尾根になります。木が伐採されているので尾根までは簡単に上がれます。尾根に着いたら右(北方向)に進みます。
水ノ尾砦に向かう尾根。ここからずっと尾根を北側に進みます。尾根には丘陵が何ヵ所かあり随所に水ノ尾砦の遺構が残ります。
尾根を進むと最初に見える丘陵。ここを越えます。
さらに続く尾根。この先に傾斜が急な岩場があります。
この岩場の傾斜が急で危険なので慎重に登ります。
岩場を登ると石積みらしき遺構が見られます。ここを下ると堀切1に出ます。
堀切1。
堀切1には石積みらしき遺構がたくさん見られます。
堀切1からみた北側の尾根道。水ノ尾砦の登城道です。岩場(石積み?)がここにも随所にあります。ここを登ると堀切2に出ます。
堀切2。
堀切2を北側から見下ろす。
堀切2を越えた先にある岩場。巨石が多く砦ぽいです。この先に三角点のある丘陵が2つあるので、それを越えると尾根は下りになり二重堀切に出ます!☺️
二重堀切。
二重堀切の南側の堀切。
二重堀切の断面。
二重堀切の北側。石塁が残っています。
尾根の北側から見下ろした二重堀切。
二重堀切を越えた先にある岩場。ここを越えるといよいよ水ノ尾砦の中心部に入ります。最後の防壁みたいなものでしょうか。かなり傾斜が急な岩場を登ります。
岩場を越えるとひらけています。左側の道が尾根道で、水ノ尾砦の主郭の丘陵は右側の木々の生い茂るなかにあります。
木々が生い茂った曲輪も広く、伊東軍の兵が駐屯した場所と考えられます。
木々の中にある縄張り図3の土塁。
縄張り図3の土塁と主郭(写真右側の丘陵)の間にある堀切3。
主郭の丘陵の東側にまわると帯曲輪になっており、主郭まで進める道になっていますが、藪が生い茂ります。
山頂の水ノ尾砦の主郭。
主郭内部。
主郭東側の石塁らしきもの。
水ノ尾砦の中心部西側をとりまく尾根道。この尾根道を進むと主郭北側の尾根に行くことができます。
主郭の北側にある堀切4。
堀切4北側にある石塁。
さらに北側に進むと土塁が3つあり二重堀になっています。二重堀の1つ目の空堀。写真だと少し浅くてわかりづらい。
二重堀の2つ目(北側)の空堀。
二重堀の先にいくと北側に続く尾根があり竪堀が2つあります。写真中央に見える窪みは竪堀2。
竪堀1。
竪堀2。
水ノ尾砦の位置。
水ノ尾砦の尾根筋には複数の堀切、石塁が至るところにあります。特に主郭南側の尾根にある二重堀切は素晴らしい🤩
今回2回目の訪問ですが前回歩かなかった主郭北側の尾根にも堀切、二重堀、竪堀などの連続した城郭遺構を発見することができました。
それと水ノ尾砦は山奥の尾根伝いにある山城なので舐めてかかると大変な目にあいます😣 1回目に来たときに帰り道がわからなくなり遭難しかけました。城跡までは山登りに時間がかかるので、ちゃんとした登山計画を持って挑みましょう!
なかなか秘境な水ノ尾砦(貝殻城)、砦の範囲も広くいろいろな探求心が沸いてくる山城でした(о´∀`о)